2026年10月1日、住宅金融支援機構はフラット35の10月の適用金利を発表しました。返済期間21年以上・融資率9割以下の最低金利は3.830%。9月の3.460%から0.37%上がり、2017年10月に現行制度となって以降の過去最高を更新しました。
一方で、変動金利は大手銀行で1%台前半です。その差は約2.5%。ここ数年で最も開いた水準になっています。
「金利が上がると聞いて不安だから、固定にしておいた方がいいのでは」というご相談を、最近よくいただきます。この記事では、板橋区・練馬区で中古マンションの購入を検討されている方に向けて、この2.5%という差が実際に何を意味するのかを、数字で整理します。毎月の金利発表に合わせて更新していきます。
変動金利とフラット35の金利差の推移(毎月更新)
毎月の金利発表をもとに、変動金利とフラット35の水準を記録しています。新しい月が上に来るよう並べています。
- 2026年10月:フラット35(融資率9割以下)が3.830%と過去最高を更新(前月比+0.37%、3ヵ月連続の上昇)。10年固定は大手5行平均で4.104%。変動は大手3行が引き上げ、5行すべてで1%を超えた
- 2026年9月:フラット35は3.460%。変動は大手行で据え置きが中心。日銀が9月18日に政策金利を1.25%へ引き上げ
※フラット35の金利は取扱金融機関によって異なります。ここでは機構が公表する最低金利を記載しています。
2026年10月の金利水準を整理する
10月1日に各行が発表した金利は、次のとおりです。
フラット35(全期間固定)
- 返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下:年3.830%(最低金利)
- 融資率9割超:年3.940%
- 金利の幅:年3.830%〜5.840%(前月は3.460%〜5.690%)
10年固定(大手5行の最優遇金利)
- みずほ銀行 3.60%/三菱UFJ銀行 3.75%/三井住友銀行 4.00%/りそな銀行 4.205%/三井住友信託銀行 4.965%
- 5行平均 4.104%(前月比+0.318%)。全5行が引き上げ
変動
- 大手5行のうち3行が引き上げ、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は据え置き
- この見直しで、大手5行すべての変動型が1%を超えました
- ネット銀行も10月1日付で基準金利を改定。PayPay銀行は年3.280%から年3.530%へ、SBI新生銀行は年2.300%から年2.650%へ引き上げています
固定はほぼ全面的に引き上げ、変動は銀行によって対応が分かれた、というのが10月の姿です。
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💬 LINEで手数料を確認するなぜ変動と固定でこれほど差がつくのか
同じ住宅ローンなのに、変動と固定でここまで差が開くのには理由があります。連動している金利が違うからです。
- 変動金利は、短期プライムレート(短プラ)に連動します。短プラは日銀の政策金利の影響を受けます
- 固定金利(10年固定やフラット35)は、長期金利、つまり新発10年物国債の利回りに連動します
いま起きているのは、この2つが違うスピードで動いている、ということです。政策金利は2024年3月のマイナス金利解除から段階的に引き上げられ、2026年9月に1.25%になりました。一方の長期金利は、日銀の利上げに加えて世界的な金利高やインフレ懸念も織り込むため、先回りして上がります。2026年10月1日時点で、長期金利は3%を超えています。
固定金利は「この先何十年ぶんの金利リスクを銀行が引き受ける対価」なので、将来の不確実性が大きいほど高くなります。いまの3.83%という数字には、将来これくらい上がるかもしれない、という市場の見方があらかじめ含まれていると考えるのが自然です。
差2.5%は何を意味するか
変動1.3%とフラット35の3.83%。この2.5%の差を、2つの角度から見てみます。
1. 利上げ10回分に相当する
日銀の利上げは1回あたり0.25%刻みで行われてきました。2.5%の差を変動金利の上昇だけで埋めるには、単純計算で10回の利上げが必要になります。政策金利でいえば1.25%から3.75%までの道のりです。
もちろん、今後どこまで利上げが進むかは誰にも分かりませんし、変動金利が上がらないという保証もありません。ただ、固定を選ぶということは「少なくとも10回ぶんの利上げが起きる」側に賭ける、という意味合いになります。
2. 月々の返済額で見ると
借入4,000万円・35年・元利均等返済で、金利が最後まで変わらないと仮定した場合の試算です。
- 金利1.30%:月々およそ11万9千円/総返済額およそ4,980万円
- 金利3.83%:月々およそ17万3千円/総返済額およそ7,270万円
月々で約5万4千円、総額では約2,290万円の差になります。
ただし、この試算には大きな前提があります。変動金利が35年間ずっと1.30%のままということは、現実にはまず起こりません。あくまで「いまの差がどれくらいの大きさか」を感覚でつかむための数字として見てください。
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もうひとつ押さえておきたいのが、10月の引き上げは9月の利上げ分ではないということです。
10月に各行が引き上げた変動金利は、日銀が2026年6月に実施した利上げ(0.75%→1.00%)を反映したものです。9月18日の利上げ(1.00%→1.25%)は、これから順に効いてきます。
- 三菱UFJ銀行とみずほ銀行は、短期プライムレートを11月2日に2.375%から2.625%へ引き上げると発表しています
- すでに借りている方の返済額への反映時期は、金融機関や契約内容(半年型か、5年ルールの有無かなど)によって異なります
9月18日の利上げが決まった経緯と、板橋・練馬の市場に出ている変化については、日銀の1.25%利上げについての記事で詳しく解説しています。
つまり、10月の時点で三菱UFJ銀行と三井住友銀行が変動を据え置いたのは「今月は動かさなかった」というだけで、この先も動かないという意味ではありません。借り換えや新規借入の比較をするときは、反映済みの銀行と未反映の銀行が混ざっている点に注意が必要です。見かけの順位が、数ヵ月後には入れ替わることがあります。
変動を選ぶなら、備えておきたい3つのこと
金利差を見れば変動に分があるように見えますが、変動はリスクを自分で引き受ける選択です。選ぶなら、次の3つは準備しておきたいところです。
1. 借入額そのものを抑える
金利タイプを変えるより効果が確実なのが、借りる額を減らすことです。金利が1%上がっても耐えられる返済額かどうかで、物件の価格帯を決めるのが現実的です。
2. 繰上返済の原資を手元に残す
頭金を入れすぎて手元の現金がなくなると、金利が上がったときに打つ手がなくなります。いつでも繰上返済できる余力を残しておく方が、結果的に強いです。
3. 5年ルール・125%ルールの中身を知っておく
多くの変動型には、金利が上がっても5年間は返済額が変わらない「5年ルール」と、見直し時の増額を1.25倍までに抑える「125%ルール」があります。ただしこれは返済額の変化を先送りする仕組みであって、利息が免除されるわけではありません。先送りされたぶんは、最終的に未払利息として残ります。ご自身の契約にこのルールがあるか、必ず確認しておいてください。
板橋・練馬で中古マンションを買う場合の考え方
最後に、エリアの事情も踏まえた見方を整理します。
金利が上がると、同じ返済額で借りられる金額は減ります。その環境で新築に手を伸ばすのは、現実にはかなり厳しくなってきました。一方で、中古は在庫が増えており、以前より比較に時間をかけられる状況です。
板橋区・練馬区は、都心に出やすい割に価格水準が抑えられているエリアです。金利上昇局面では、無理のない借入額で収まる価格帯から選べること自体が強みになります。
金利は毎月変わりますが、住む場所を選び直すことはそう何度もできません。金利を理由に焦って決めるより、返済に無理のない範囲で、長く住みたいと思える物件を選ぶ。その順番で考えていただくのが、結局はいちばん堅実だと考えています。
エリアの価格水準については、2026年の基準地価と板橋・練馬の中古マンションについての記事と、板橋区の中古マンション相場2026年版で詳しく整理しています。
資金計画の組み直しや、「この価格帯なら毎月いくらになるのか」といった具体的なご相談も承っています。結エステートは板橋区・練馬区の中古マンション売買仲介を17年続けてきました。どうぞお気軽にお声がけください。
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